2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21657056
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮田 卓樹 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (70311751)
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Keywords | 発生 / イメージング / 三次元 / 器官形成 / インビボ / 細胞移動 / 形態形成 / 全胚培養 |
Research Abstract |
昨今,各種幹細胞を用いて器官の再生・人工的形成を目指そうとする努力が進められている.その成功のためには,まず,本来の組織・器官の形成の原理を深く知る必要がある.立体的な形態形成の原理を解明するためには,生体内の三次元組織における細胞動態をリアルタイムで観察できる手法が必要である.そうしたインビボイメージングの手法は,セブラフィッシュやその他の動物では可能となっているが、哺乳類ではこれまで行なわれたことがない. 代わりに,哺乳類では,胎仔の各所から切り出してきた組織を培養することで,生体に準じた環境下での組織の三次元的生育と細胞の挙動の解析とが果たされてきた.しかし,数百ミクロンもの厚みを有する培養スライスに対して適切な酸素供給する困難さ,組織・器官の形成過程に積極的な役割を果たすことが知られる血管を欠く点,また,切り出すことによって組織の縦横要素のからみ・細胞の越境性などを失う点,など,単離スライスには種々の限界もある. こうした技術的・生物学的な問題を克服し,胎生期哺乳類の器官に対する生体内でのイメージングを行なうために,子宮・胎盤から分離した胎仔を経心臓的に灌流することで発生を維持できるような系を目指すことにした. 顕微鏡観察に必要な可動性を考慮し,送液ポンプから数十センチ長のチューブを用いて灌流を行ない,これまでに,8-9時間程度まで,良好な組織生育を得ることに成功している.現在,灌流保育システムを蛍光観察と組み合わせ,細胞の移動を観察することを試みている.次年度に学会で発表することを予定している.
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