2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21657067
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
工藤 奨 Shibaura Institute of Technology, 工学部, 教授 (70306926)
|
Keywords | 脳・神経 / 可塑性 / アストロサイト / 脳微小血管 |
Research Abstract |
ニューロンの伝達効率(シナプス可塑性)の違いが血管拡張・収縮の違いに反映されるかを明らかにすることを目的とし,脳スライスを用いて,長期間シナプスが増強される長期増強(LTP ; Long Term Potentiation)および長期抑制(LTD ; Long Term Depression)を電気刺激により誘発し,その際に変化するアストロサイトのカルシウムイオン伝播および血管径の収縮・拡張の関係を調べ,シナプス可塑性と血管収縮・拡張との関係を明らかにする.H21年度はラット脳スライスを用い,脳スライス内のニューロンに対して長期増強(LTP)を誘発する系を確立することを第一の目的として研究をすすめた.その結果,シナプス可塑性時に特徴的に表れる電気信号の波形を取得することが可能となり,LTP誘発をおこなえることが可能となった.さらに,3例ではあったはが,LTPを誘発したニューロンに関しては,電気刺激に対してニューロン近傍の血管径が変化せず,LTPを誘発していない場合は電気刺激に対して血管系が拡張する結果が得られた.また,電気刺激時におけるアストロサイトのカルシウム応答は取得できなかったが,ATPを添加した際にアストロサイト内のカルシウム応答を計測することができ,予備的ではあるが,血管計測とアストロサイトのカルシウム応答を同時計測することが可能となった.H21年度はシナプス可塑性と血管径に関連性を見出すことができたため,H22年度は,例数を増やし,メカニズムに関する検討を行う予定である.
|