2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21658005
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
小葉田 亨 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (60186723)
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Keywords | イネ / 穂培養 / 子実成長 / 延長 |
Research Abstract |
5℃に保った濃度3%の培養液中に穂首節から漬け、穂を30℃の気温下で穂培養する従来の方法に対して、穂の上位節から2節下で切除し、培養液を半分の濃度3%、穂を除湿機を入れた人工気象器に入れて湿度40-50%にして蒸散を促進する方法、さらに培養液にリン酸を添加する方法、下位節で切除した穂を湿度60%,12時間明期に3%の培養液、湿度90%、12時間暗期に蒸留水に自動的に漬けかえる方法、によって培養期間の延長を試みた結果の取りまとめを行った。すなわち、いずれも従来の6%培養液で穂首節から培養する場合に比べて、圃場の80%の成長が二週間まで延長された。また、培養液の漬け変えは、漬けたままの場合よりもやや優れた。リン酸の添加はやや成長が促進されたものの明確な効果は認められなかった。以上の結果から、低位節からの培養液吸収と低い濃度の培養液は穂培養による子実成長期間の延長に有効であること、明暗期の穂の漬け変えは効果があるものの装置の作成や調節など操作が複雑化するために利点はあまり高くないとみなされみ。これらの結果は、コムギに比較してイネの穂で一週間以上の穂培養が困難である理由は、培養液吸収の茎断面の小ささによる閉塞の起こりやすさ、あるいは低温の培養液に対する脆弱性による可能性がある。本手法ではさらに長期にわたる子実成長は圃場に比べ劣っており、今後新たな問題解決が図られる必要がある。
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