2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規核小体GTP結合タンパク質依存的な細胞死機構の解析
Project/Area Number |
21658020
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
常泉 和秀 The Institute of Physical and Chemical Research, 松本分子昆虫学研究室, 先任研究員 (40280953)
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Keywords | Drosophila / nucleolus / GTP binding protein / cell death |
Research Abstract |
本研究ではdngbp1機能抑制による細胞死をin vitroで解析できるように、培養条件により細胞死を誘導可能な細胞株を樹立し、細胞死を起こしつつある状態の観察を行い、ヒト・マウスにおける相同タンパク質の細胞死機構と異なり、p53・カスパーゼ非依存的に細胞死が生じることを明確に示し、ヒト・マウスでの機構が特殊であり、多くの生物ではショウジョウバエ同様、カスパーゼ非依存的に制御が行われることを提唱することを目的としている。 本年度はショウジョウバエの培養細胞(S2細胞)を用いてコンディショナルにdngbp1の機能抑制を行える細胞を樹立する計画であったが、S2細胞は細胞密度が低下すると増殖能が著しく低下し、シングルコロニー樹立法による細胞株の樹立が極めて困難であった。様々な文献を参照し軟寒天封入法を導入し、改良を重ね、シングルコロニーの樹立が困難なS2細胞に安定してシングルコロニーを樹立できる方法を確立した。dngbp1の機能抑制の方法も回帰文形式による抑制方法に加え、DNGBP1タンパク質のドミナントネガティブ型を過剰発現させる方法を追加し、細胞株の樹立を試みた。その結果、回帰文形式の方法ではまだ樹立できていないが、ドミナントネガティブ型を過剰発現可能な系において、本年度中にdngbp1の機能抑制を誘導し細胞死が亢進する系統を得ることができた。タイムラプス観察の結果、necrosisではなく、apoptosis様に細胞死が生じていることを確認した。 同時並行して平成22年度に予定していたDNGBP1に直接結合しDNGBP1の機能を調節可能な低分子化合物の探索を行った。DNGBP1はGTP結合ドメインを有し、機能発現にGTPの結合が必須である。そこで低分子化合物の探索時にGTPの有無の条件を加えて行った結果、GTP非存在下で1個、GTP存在下で6個の候補化合物を得た。
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