2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規核小体GTP結合タンパク質依存的な細胞死機構の解析
Project/Area Number |
21658020
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
常泉 和秀 独立行政法人理化学研究所, 松本分子昆虫学研究室, 先任研究員 (40280953)
|
Keywords | Drosophila / nucleolus / GTP binding protein / cell death |
Research Abstract |
ショウジョウバエの培養細胞では細胞密度が低下すると増殖能が著しく低下し、シングルコロニーによる細胞株の樹立が極めて困難であるという問題に対し、昨年度は軟寒天封入法を導入し安定してシングルコロニーを樹立出来るように改良したが、樹立した細胞ではdngbp1の抑制を誘導した際に細胞死を起こす頻度が低く、低分子化合物の評価に応用でなかった。本年度、血清をキレート膜処理することにより培養液を改良することによりdngbp1の回帰文配列を過剰発現可能な系において40%程度、ドミナントネガティブ型を過剰発現可能な系において、60%程度の細胞が細胞死を起こす系統を樹立できた。これらの細胞によりdngbp1抑制による細胞死を亢進もしくは抑制する低分子化合物の探索を行える系が構築できた。 一方ケミカルアレイでDNGBP1と直接結合する低分子化合物の候補の評価を行うため、マラカイトグリーン試薬を用いDNGBP1のGTPase活性を測定した。更に貴重な天然物低分子化合物分与に必須な条件である測定時の容量の少量化のため、1mlで行う測定法を96wellプレートで測定できるようin vitroでのassay系を改良した。現在DNGBP1と直接結合する低分子化合物の候補を分与してもらうことができ、GTPase活性への影響と培養細胞を用いた細胞死への影響評価を行っている。 DNGBP1の機能解析をめざし、DNGBP1と複合体を形成するタンパク質を同定するために免疫沈降法を用い、一緒に沈降する12種類のタンパク質を質量分析により解析し、多数のリボソーム関連タンパク質として同定した。更に本年度はdngbp1の相同タンパク質であるdngbp2に関しての解析を行いdngbp2がショウジョウバエの複眼初期発生に重要な役割を担うことおよび細胞の生存に必須であるという内容の論文をコレスポンディングオーサーで発表した。
|
Research Products
(4 results)