2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21658023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80242163)
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Keywords | ホウ素 / ヘテロ接合体 / T-DNA / シロイヌナズナ / 分離 |
Research Abstract |
平成21年度に引き続き、ヘテロのみの現象を引き起こす原因についての遺伝解析を進めた。昨年度までに野生型Ler系統とのF1およびF2を作成しその性質を調べたところ、この現象は優性ではないことが示されていたが、今年度は多数のF3を取得しその分離比を調べたところ、ヘテロのみの現象を示す個体がF3系統のうち10%程度含まれていることが明らかになった。この分離比は劣性ホモの遺伝子を想定した割合よりも低いが、2遺伝子座に原因があると考えた場合に想定される割合よりも高い。マッピングを試みたところ、特定の遺伝子座に連鎖は認められなかったが、マッピングに用いた系統数が少ないためである可能性もある。そこで、マッピングを効率的に進めるために、F2植物の種子でGFPを発現させその強度を指標に分離比を確認する実験系の確立を進めた。具体的には、これまでの実験ではF2の表現型を確認するために、F3を20植物程度栽培しその分離比を見るという実験を行ったが、これを100系統程度のF2に適用するという手法では現実的にはマッピングは難しいため、F3植物を栽培することなく種子に蓄積するGFPの強度を指標にした分離を観察するために、ヘテロ接合体が多く見られるBOR6遺伝子の周辺に種子特異的にGFPを発現するコンストラクトが挿入された形質転換系統を得た。また、花粉管と胚珠を区別して観察するために、花粉もしくは胚珠特異的にGFPなどを発現させる系統の作出を進めた。
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