2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21658023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80242163)
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Keywords | ホウ素 / ヘテロ結合体 / T-DNA / シロイヌナズナ / 分離 |
Research Abstract |
平成22年度に引き続き、シロイヌナズナBOR6遺伝子にT-DNAが挿入された系統の一部に置いて観察されたヘテロのみの現象を引き起こす原因についての遺伝解析をさらに進めた。昨年度までにヘテロのみを引き起こす原因の解析のためにF2系統での分離をF3でのT-DNAの分離で検出する方法で解析してきたが、ヘテロのみの現象は多数コピーの挿入によって起こる可能性もあると考え、今年度はヘテロのみが現れる植物を用いて、サザンハイブリダイゼーションを用いたT-DNA挿入のコピー数についての調査を行った。ヘテロのみが現れる植物からDNAを抽出し、T-DNA領域をプローブにしてコピー数が検出できる様に対照を取り入れてサザンハイブリダイゼーションを行ったところ、T-DNAの挿入が一コピーであることを示唆する結果を得た。また、BOR6のゲノム領域をプローブにしたサザンでもT-DNAの挿入が一コピーであることを示唆する結果が得られた。このことから、ヘテロのみの現象は複数のT-DNAの挿入によって見かけ上の分離比の異常が引き起こされているのではなく、単一コピーのT-DNAの分離がヘテロに大きく傾く現象であることが明らかになった。また、昨年度までにBOR6遺伝子の周辺に種子特異的にGFPを発現するコンストラクトが挿入された形質転換系統を得ていたが、今年度はGFPの蛍光強度に基づいた分離比の検定手法を確立し、さらにこの手法を用いて、この植物についてのGFPの分離を観察してみたが、F3においてヘテロだけの分離が見られることは無かった。また、花粉特異的に発現する遺伝子の下流に蛍光タンパク質を発現させる系統を確立した。
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