2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21658041
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
有賀 豊彦 Nihon University, 生物資源科学部, 教授 (50096757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 泰一郎 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (20187834)
奥村 暢章 日本大学, 生物資源科学部, 研究員 (80465278)
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Keywords | fibrinolysis / liver / TAFI |
Research Abstract |
線溶系は血管内に形成された止血栓(fibrin)を生理的に分解除去する機構である。線溶の実行分子であるplasminとその不活性前駆体plasminogen, plasminogen activator(PA)であるtissue-type PA(tPA), urokinase-type PA(uPA),さらにPAやplasminに対するinhibitorであるPAI-1(PA inhibitor-1)やα2-plasmin inhibitor(α2-PI)などを含め線溶系因子と呼ばれている。Plasminogen,tPA,uPA, PAI-1は血栓の溶解のみならず様々な生命現象に関与する可能性がノックアウトマウスを用いた研究により明らかにされている。特に、細胞周囲での線溶活性の発現は、がんの浸潤・転移、組織の再構築などに深く関与すると考えられ、細胞線溶という概念が提唱されてきた。本研究ではplasminogenに着目し、肝再生をモデルとして細胞膜に局在して機能する線溶系因子による細胞外環境の制御にかかわる新しい機構について体系的に理解することを目的とし、肝細胞におけるplasminogen受容体の同定を試みた。ラットより肝細胞を単離し初代培養した。細胞膜表面のタンパク質をビオチン標識した後、アビジンビーズに吸着させて単離し,plasminogen ligand blottingを行った。その結果いくつかのタンパク質をplasminogen受容体候補として同定した。現在これらのタンパク質によるplasminogenの局在制御機構の解明を行っている。さらに、plasminogenの局在化の肝再生機構における生理機能の解明を行う予定である。
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