2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21658047
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 隆一郎 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50187259)
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Keywords | 胆汁酸 / 胆汁酸受容体 / 脂質代謝 / エネルギー代謝 / 骨格筋 |
Research Abstract |
胆汁酸はコレステロールの異化産物であり、肝臓で合成され、小腸に分泌される。その95%以上は小腸下部で吸収され、肝臓へと再び戻る腸肝循環をする。血中には、数マイクロモル程度の胆汁酸が存在し、肝臓以外の組織に存在する胆汁酸受容体TGR5に結合し、情報を伝達する。骨格筋細胞表面に局在する受容体を介して、熱産生遺伝子の発現を亢進させ、エネルギー代謝改善効果を発揮する。この事実から、胆汁酸の機能を模して、胆汁酸受容体を介してエネルギー代謝を改善させる食品成分の探索を行なった。胆汁酸受容体遺伝子をクローニングし、培養細胞に発現させ、胆汁酸結合に呼応して、細胞内cAMPが上昇し、これにより活性化された転写因子が流布しフェラーゼ遺伝子発現を亢進させるレポーターアッセイ系を構築した。培地に胆汁酸を添加すると、ルシフェラーゼ活性は有意に上昇し、本アッセイ系が良好に作動することが明らかになった。このアッセイ系に精製食品成分約150種類を培地に添加し、ルシフェラーゼ活性を上昇させる効果を追跡した。その結果、複数の成分が胆汁酸同等か、やや弱めの活性が検出された。今後は、高脂肪食摂取マウスに長期間経口投与し、抗肥満効果、血糖値改善効果などについて検証を行う。
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Research Products
(3 results)