2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規「免疫力」測定法の開発ー免疫機能食品の効果検証を目指して
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21658048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
戸塚 護 東京大学, 大学院・農学生命科学硬究科, 准教授 (70227601)
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Keywords | 免疫調節機能 / 食品機能評価系 / 免疫機能低下 / 遺伝子発現解析 / 低栄養 / 抗体産生 / サイトカイン |
Research Abstract |
食品成分が生体の免疫機能を調節しうるということは、国内外の多数の報告によって裏付けられてきた。しかし個々人の免疫機能の状態を評価する方法の欠除のため、食品成分の免疫調節機能の評価が困難である。本研究では、網羅的遺伝子発現解析を行うことにより、免疫機能状態の評価に用いることができる分子・遺伝子の発現変動を評価パラメータとして確立することを目的として研究を行った。繁殖退役マウスおよび若齢成体マウス(ともにBALB/cマウス、メス)から磁気ビーズ法により脾臓CD4^+T細胞を調製した。両者から総RNAを抽出し、DNAマイクロアレイ解析により比較解析したところ、若齢マウスで2倍以上有意に発現が高い遺伝子および低い遺伝子として19プローブセットおよび123プローブセットが見いだされた。強制的な刺激を加えていない状態でのCD4^+T細胞においては老齢マウスで高発現する遺伝子が多いことが示された。老齢マウスのT細胞ではPD-1^+メモリーT細胞の割合が増加することが報告されており、本研究の解析でも退役マウスでPD-1のmRNA発現が高いことが示され、これは定量RT-PCR法を用いた解析でも確認された。PD-1以外に、退役マウスと若齢マウスで2倍以上の有意な発現差が認められた遺伝子のうち発現量の多いもの7遺伝子について、定量RT-PCR法で解析したところ、いずれもその発現差が確認された。これらの遺伝子は加齢に伴うCD4^+T細胞の状態変化に関与する遺伝子候補として今後検討することにより、免疫系の状態を遺伝子発現の観点から評価する際の指標となることが期待される。
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