2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21658058
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
岡部 貴美子 Forestry and Forest Products Research Institute, 森林昆虫研究領域, チーム長 (20353625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
升屋 勇人 独立行政法人森林総合研究所, 森林微生物研究領域, 主任研究員 (70391183)
神崎 菜摘 独立行政法人森林総合研究所, 森林微生物研究領域, 主任研究員 (70435585)
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Keywords | ダニ / 菌 / 線虫 / 樹液 / 便乗 / 昆虫 |
Research Abstract |
樹液浸出部で微生物を採集するための便乗寄主(昆虫)採集には、トラップよりも見つけ取りの方が有効だった。また昆虫相は日昼と夜間で大きく異なることがあるため、昼夜の採集が必要であることがわかった。つくば市内、奥只見の樹液より樹液酵母を分離した結果、Kregervanrija fluxum、Saccharomyces paradoxus、Pichia membranifaciens、Ophiostoma nigrocarpumが特に多く検出された。また場所によって検出される種類に違いがあることも明らかになった。樹液からの線虫分離の結果、Pseudodiplogasteroides sp., Rhabditidoides sp., Panagrellus dubiusを検出した。これらのうち、Pseudodiplogasteroides sp., Rhabditidoides sp.は樹液を利用する昆虫に便乗している可能性がある。ダニはマヨイダニ科、ヒゲダニ科、コウチュウダニ科、キノウエコナダニ科、ジュエキダニ科、サトウダニ科、コナダニ科が樹液または樹液に集まる昆虫から採集された。このうち樹液と昆虫の両者から発見されたのはマヨイダニ、ヒゲダニ、ジュエキダニ、サトウダニ、コナダニであったことから、これらのダニは樹液に集まる昆虫に便乗して移動分散していることがわかった。つくば市内、只見では上位分類群は類似していたが種構成が異なり、地域差が示唆された。またコナダニ団のコウチュウダニ、キノウエコナダニ、ジュエキダニ、サトウダニは近縁であることから、少なくとも一部の種が樹液または便乗ホストとの関係により種分化した可能性が示された。
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Research Products
(4 results)