2009 Fiscal Year Annual Research Report
街路樹を用いた木質ペレットについての簡便な安全性検査手法の開発
Project/Area Number |
21658062
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐藤 高晴 Hiroshima University, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (90196246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久川 弘 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (80263630)
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Keywords | 環境調和型農林水産 / 再生可能エネルギー / バイオマス / 環境磁気 / 大気汚染 |
Research Abstract |
本年度は、交通量が測定されている、高速道路、国道、東広島市市道の、それぞれ、3カ所、4カ所、1カ所、合計8カ所の付近の街路樹の剪定枝それぞれ10kg程度をいただき、試料とした。採取場所の剪定に際しては、交通量の非常に多い地点を中心に、中程度、少ない地点も含めた。これらの剪定枝をチップ化し、さらにペレットにした。化学分析と飽和等温残留磁化(SIRM)測定は、チップ試料について行った。これは、両者とも、少量で測定するためで、直径6mm長さ10~25mm程度のペレットでも、大きさ、量が問題になり、少数個のペレットの測定となった場合、偏りが大きくなるなどの心配があるためである。SIRMがかなり強かった(10^<-1>~10^<-3>A/m)ので、もっと簡便に帯磁率測定でモニタリングできる可能性が高いと考えられたので、携帯型帯磁率計SM30を購入し、ペレット試料について測定を行った。測定は、ばらつきが大きかったので、各試料について11回ずつ行った。以下に主な結果を記述する。 1.同程度の交通量でも、高速道路に比べ国道沿いからの試料の重金属濃度は、1.2倍から9倍高かった。 2.重金属濃度と交通量との相関係数は、Mnの-0.11からCaの0.70程度であまり大きくはなかった。 3. SIRMと重金属濃度との相関係数は、Fe(0.99)、Pb(0.97)、Al(0.94)など、高いものが多かったが、交通量との相関は、0.62であった。 4.帯磁率と重金属濃度との相関係数は、SIRMと同様に高かった。 これらのことから、剪定枝の重金属汚染については、磁気的な方法での評価が有効であり、簡便な携帯帯磁率計によるモニタリングの可能性も十分あることが示された。
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