2010 Fiscal Year Annual Research Report
渦鞭毛藻の無毒変異メカニズム解明のための一細胞ライブラリーの構築
Project/Area Number |
21658075
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長 由扶子 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (60323086)
|
Keywords | 水産学 / プランクトン / 麻痺性貝毒 / 無毒変異 / cDNAライブラリー |
Research Abstract |
本研究では麻痺性貝毒生産渦鞭毛藻Alexandrium tamarenseの培養株から得られた世界的にも貴重な無毒変異株における無毒化メカニズムを解明するために、渦鞭毛藻の特殊性に由来する困難を克服する実験系として毒量及び遺伝子プロファイルの均一なサブクローン系を作出し、最も小さな単位すなわち一細胞毎に解析することを目的としている。昨年度確立したin situ hybridization法では固定後のハイブリ、洗浄のステップにて多くの細胞が剥離してしまうという難点があった。本年度は課題であったスライドグラスへの固定法を決定した。これによりハイスループット化が可能となった。さらに単離した一個の細胞を従来のサブクローン化と同様の培養法(96穴マイクロプレート)で培養し1日毎に増殖の様子を観察し、2から4細胞周期後に収穫して一細胞毒量(C1/C2のみ)を分析したところ、有毒無毒株ともに2細胞周期目ですでに分裂が同調的ではなくなり、毒量が不均一化することが判明した。すなわち再単離後早期に毒量の多様性が生じることを世界で初めて実験的に証明した。均一系を得るには培養法の改良による分裂の同調化が必要である。さらに決定した細胞の固定法を応用することにより、今後は同一の細胞からの毒量分析と遺伝子解析が可能になるものと期待される。
|
Research Products
(2 results)