2011 Fiscal Year Annual Research Report
音響的手法によるコナジラミの行動攪乱に関する基礎研究
Project/Area Number |
21658083
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水谷 孝一 筑波大学, システム情報系, 教授 (50241790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若槻 尚斗 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40294433)
海老原 格 筑波大学, システム情報系, 助教 (80581602)
石井 雅久 (独)農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所, 主任研究員 (10343766)
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Keywords | 農業環境工学 / コナジラミ / 超音波 |
Research Abstract |
本研究は、コナジラミの発する音をモリタリングし、その分析評価をすることにより発生音とコナジラミの行動の関係を解析し、最終的にコナジラミに対して人工的な超音波を与え、その行動を攪乱する方法を確立することによって、無害な「超音波農薬」のような新しい技術を創出することを目的としている。 本年度は、(1)コナジラミの発生音が有する特徴の解析,(2)コナジラミの行動攪乱実験を実施した。 コナジラミは非常に微小な音を用いて他の個体とコミュニケーションを取ることが知られている.そこで, (1)コナジラミを実際に採集し,無響室内で高感度マイクロホンを用いてコナジラミの発生音を収録した. 複数の個体の発生音を分析した結果,発生音はある周波数を基音とした倍音構造を持ち,かつ数十秒おきに繰り返し発せられるという種に共通した特徴があった.一方で個体によってその基音は100-300(Hz)と大きな差があった.これにより,発生音から個体が特定出来ることを確認した. 続いて (2)発生音を個体に照射して行動攪乱実験を行った. まず発生音が個体に与える影響を調査するために,(1)で得られた発生音の特徴を有する信号とそれ以外の信号を単一の個体に照射してその応答を観察した.個体が応答する頻度は発生音の特徴を有する信号を照射したときが尤も大きいことから,コナジラミ同士のコミュニケーションを人為的に妨害できる可能性がある. 本実験では限定された空間でのみ実施されたが,温室のようなより大規模な空間での応用が今後の課題である.
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Research Products
(1 results)