2009 Fiscal Year Annual Research Report
分化抑制解除による肥満細胞性白血病幹細胞の同定とその発生・維持機構の解明
Project/Area Number |
21658105
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
後飯塚 僚 Tokyo University of Science, 生命科学研究所, 教授 (50301552)
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Keywords | 幹細胞 / 造血 / 肥満細胞 / 発癌 / 転写因子 |
Research Abstract |
肥満細胞を始めとする造血系細胞におけるMeis1の発現を解析し、また、幹細胞維持におけるMeis1の機能解析を行った。第一に、Meis1遣伝子の翻訳開始領域にEGFP遺伝子を挿入したBACトランスジェニックマウス(Meis1-EGFPレポーター)を用いて造血幹細胞から肥満細胞ならびに好塩基球に至る分化段階でのMeis1の発現を解析したところ、1)造血幹細胞から顆粒球・単球系列前駆細胞(GMP)の分化段階まではMeis1の高い発現が維持されること、2)好塩基球・肥満細胞前駆細胞(BMCP)に分化しても、Meis1の発現は維持されること、3)好塩基球・肥満細胞前駆細胞(BMCP)から肥満細胞前駆細胞(MCP)に分化が進行してもMeis1の高い発現は維持されるが、好塩基球前駆細胞(BaP)に分化すると発現がシャットオフされること、が明らかになった。第2に、Mx-CreマウスとMeis1の第8エキソンをfloxしたMeis1^<flox>マウスを交配することで、Mx-Cre-Meis1^<flox>マウスを作製し、polyI-C投与により成体マウス骨髄においてMeis1の欠失を誘導したところ、造血幹細胞数の低下が認められ、特に、静止期にある幹細胞集団であるside populationの消失が認められた。また、放射線照射したマウスへの移植実験により、Meis1は造血幹細胞自律的に機能しており、その消失により、細胞周期が進行し、最終的に、幹細胞が枯渇するものと考えられた。
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