2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト培養細胞を使ったバイオマス変換酵素の効率的産生システムの開発
Project/Area Number |
21658110
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
奥村 文彦 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 助教 (00507212)
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Keywords | バイオエタノール / バイオマス / セルラーゼ |
Research Abstract |
現在、二酸化炭素(CO_2)削減を目標に最近バイオエタノールが化石燃料に代わる代替燃料として使用され始めているが、製造原料としてトウモロコシや小麦などを用いるため、これらを主食としている国々で食糧問題を引き起こしている。特に貧困層では物価高騰による食糧不足が大きな問題となっている。食料としての農産物を用いずにバイオエタノールを製造できればこれらの問題は一気に解決できる。そこで本申請研究では廃材・藁・古紙など食料として用いられない材料からバイオエタノールを製造する技術の確立を目的としている。また、世界情勢に左右されることなく安定に燃料費等を供給することは、まず第一に我が国の一次産業を安定化することにつながる。安全な国産食料品の安定供給は消費者を国産品購入へと導き、それは一次産業の発展に寄与する。 現在までにウニセルラーゼcDNAのサブクローニングおよび各種発現ベクター系の構築が完了した。特に一過性発現用プラスミドpcDNA3、安定発現細胞株構築用レトロプラスミドpMXにウニセルラーゼ遺伝子を導入した。また、一過性発現実験では293T細胞、安定発現実験ではHeLa細胞を用いたところ、細胞外にウニセルラーゼが分泌されることが確認できた。さらに分泌されたタンパク質の生化学的検討を行うことで、細胞外に分泌されたウニセルラーゼは比較的不安定で約3日後には分解されることが判明した。分泌されたタンパク質の酵素学的解析により、細胞外に分泌されたウニセルラーゼは酵素活性を保持していることを確認した。今後、さらなる効率的産生システムの応用に向けての研究を遂行するところである。
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Research Products
(5 results)