2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21658112
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山内 靖雄 Kobe University, 農学研究科, 助教 (90283978)
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Keywords | 植物 / 高湿耐性 / 遺伝学的解析 |
Research Abstract |
光依存性高温耐性機構とは、他の生物にも備わる高温耐性メカニズム(熱ショックタンパク質誘導系)ではなく、植物独自の光に依存して獲得される高温耐性メカニズムである。この光依存性高温耐性メカニズムは強力で、この高温耐性を獲得した植物は45℃6時間という過酷な処理に対し、光合成活性、生存率ともに劇的に改善される。2009年度において、本研究では植物に特有の光依存性高温耐性機構を解明するために、突然変異誘発化学物質であるエチルメタンスルホン酸(EMS)でランダムに突然変異処理したアラビドプシスを用いて、光依存性高温耐性機構を失った突然変異体の獲得を目指した。4週齢になるまで生育させたEMS処理アラビドプシスを、光照射下で40℃1時間処理し、引き続き暗下40℃1時間処理をおこなった。野生型アラビドプシスでは、光照射下40℃1時間処理により光依存性高温耐性機構が誘導されるため、暗下40℃処理による光化学系IIの活性低下は見られない。約4,500体のEMS処理突然異体を高温処理した一次スクリーニングをおこない、光依存性高温耐性機構を獲得せず光化学系II活性の低下する13ラインを選抜した。これらのラインから得た種子を播種し、一次スクリーニングをおこなった時と同様に生育・高温処理をおこない、再び光化学系II活性の低下が確認されたラインを一系統選抜した。現在、このラインの原因遺伝子を固定・単離するため、野生株との戻し交配をおこなっている。
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