2010 Fiscal Year Annual Research Report
乳汁に含まれる膜小胞含有RNAの生物学的機能の解明
Project/Area Number |
21658117
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
青木 直人 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (40242846)
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Keywords | 乳汁 / 乳腺 / 膜小胞 / RNA / microRNA |
Research Abstract |
マンモソームを介した細胞間での遺伝子のやり取りの可能性を探るために,ウシマンモソームを培養下のNIH-3T3繊維芽細胞に添加して一定期間インキュベートした。細胞を十分洗浄後,RNAを抽出し,乳汁関連遺伝子(αs1-casein,αs2-casein,β-casein,β-lactoglobulin)に対する特異プライマーを用いてRT-PCRを実施した。調べたいずれのRNAも増幅されたことから,マンモソームを介して細胞への遺伝子移入の可能性が強く示唆された。また消化管内での取り込みを想定し,乳汁を酸性条件下で一定期間インキュベートした後,超遠心分離法によりマンモソームを調製し,引き続いてRNAを調製したところ,未処理サンプルと同程度のRNAが抽出された。さらに含まれるmRNA(αs1-casein,β-casein,β-lactoglobulin)およびmiRNA(miR-93,miR-101,miR-150)量をリアルタイム定量RT-PCR法あるいは半定量的RT-PCR法により測定したところ,酸処理と未処理群間で有意な差が認められなかったことから,マンモソームは腸管内でも比較的安定に存在出来る可能性が強く示唆された。 またマンモソームに内包されるmRNAのうちαs1-casein,β-caseinはin vitroで翻訳されることも併せて明らかとなった。さらに予備的実験ながら,MFG-E8ノックアウトマウスの乳汁には野生型マウスと同程度のマンモソームRNAが含まれることも明らかとなった。
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[Journal Article] Isolation of bovine milk-derived microvesicles carrying mRNAs and microRNAs2010
Author(s)
Hata, T., Murakami, K., Nakatani, H., Yamamoto, Y., Matsuda, T., Aoki, N.
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Journal Title
Biochemical and Biophysical Research Communications
Volume: 396
Pages: 528-533
Peer Reviewed
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