2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659004
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
畑山 範 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20143000)
|
Keywords | Conia-ene / 環化反応 / 不剤反応 / 環状化合物 / 複素環状化合物 |
Research Abstract |
今日、医農薬や機能性材料等の開発における中核的役割を担う有機合成化学には、効率性、多様性、環境負荷の軽減等の観点から、精密合成における「ものづくり力」の格段のレベルアップが求められている。本研究の中心となるConia-ene反応は比較的古くからよく知られている反応であり、原子効率の点から優れた環化反応であるが、高温という厳しい反応条件から、その適用範囲は熱的に安定な化合物に限られていた。しかし、最近では、Au(I)やNi(II)やIn(III)等に代表される金属触媒を用いる方法が開発され、より緩和な温度条件でConia-ene型の環化反応が実現できるようになってきた。 一方、不斉Conia-ene反応に関しては、国内外のいずれにおいても報告例は皆無に等しい。この様な状況を踏まえ、昨年度に引き続き本年度は、キラル環状リン酸ビナフトールエステル触媒を用いる不斉Conia-ene反応について詳細に検討した。しかし、化学収率及び光学収率いずれにおいても満足行く結果は得られなかった。また、昨年度見出したDBU-LiBrが引き起こすConia-ene型の環化反応の一般性を検証し、アセチレニックβ-ケトエステルやアセチレニックβ-ジエステルの様々な基質で環化反応が進行することを見出した。さらに、この反応を活用し、顕著なホスホリパーゼA_2阻害活性を持つことで医薬開発のリード化合物として注目を集めているシナトリン類天然物の鍵前駆体の合成に到達した。
|
Research Products
(3 results)