2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥野 恭史 京都大学, 薬学研究科, 教授 (20283666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬木 恵里 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (70378628)
新島 聡 京都大学, 薬学研究科, 助教 (30456834)
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Keywords | ケミカルゲノミクス / インシリコ創薬 / ネットワーク創薬 / 遺伝子ネットワーク / マイクロアレイ |
Research Abstract |
本研究は、薬物-標的タンパク質-疾患関連タンパク質-疾患と繋がる薬物-疾患統合分子ネットワークを構築し、薬物作用のネットワークシミュレーションに基づく新たな創薬手法「ネットワーク創薬」の開拓を目指すものである。昨年度では、複数のキナーゼ阻害剤によるキナーゼファミリーの多重標的阻害の網羅的実験とその計算予測モデルの構築を行った。これらの成果にネットワーク的な概念を導入するために、本年度は薬物投与下における遺伝子発現ネットワークを計測し、その薬物作用のネットワーク表現とその予測計算手法の開発を行った。具体的には糖尿病治療薬として開発されたトログリタゾン、ピオグリタゾン曝露時のマイクロアレイデータを用いて、薬理作用遺伝子ネットワーク、毒性作用遺伝子ネットワークを自動抽出し、その薬理効果・毒性作用を予測するシステムを構築した。ここで、ネットワークの構築エンジンとしては、十分な実用性を有する遺伝子発現パターンの相関性に基づくネットワーク構築手法を用いた。すなわち、遺伝子発現パターンの相関性により、共発現遺伝子クラスターを定義し、薬物応答、毒性発現のそれぞれの遺伝子ネットワークの構造比較によって薬理作用・毒性特異的遺伝子ネットワークの抽出を試みた。本システムで予測抽出された薬理作用・毒性特異的遺伝子ネットワークに関して、強制発現系の細胞毒性実験を行い、このネットワーク予測手法の有効性を検証したところ、予測された相互作用ネットワークの正当性が確認された。
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