2010 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外蛍光イメージングに資する新規蛍光色素の戦略的開発
Project/Area Number |
21659012
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
前田 初男 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (00229311)
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Keywords | 近赤外光 / イメージング / 蛍光色素 / プローブ / 可視化計測 / in vivo / 非侵襲分析 |
Research Abstract |
昨年度、7-(4-hydroxystyryl)4-methyl coumarinの合成について最適化した条件下におけるHeck反応方法を用いて、fluorescein,2',7'-difluorofluoresceinおよび2',4',5',7'-tetrafluorofluoresceinの3'-(4-hydroxystyryl)誘導体ならびに3',6'-bis(4-hydroxystyryl)誘導体を低収率ながら合成した。また、同様に、resorufinの3'-(4-hydroxystyryl)誘導体も約5%の収率で合成できた。それらの候補化合物ついて、水溶液中における蛍光特性を評価したところ、fluorescein,2',7'-difluorofluoresceinおよびresorufinの誘導体は全く蛍光性を示さなかった。しかし、相対量子収率は0.15以下であるものの蛍光色素としての特性を2',4',5',7'-tetrafluorofluoresceinの3'-(4-hydroxystyryl)誘導体(1)ならびに3',6'-bis(4-hydroxystylyl)誘導体(2)は示した。また、期待した通り、pH7.4の緩衝溶液において、それらの化合物の蛍光波長は以下のように長波長側ヘシフトした:1はλex=575nmにてλem=589nm;2はλex=605nmにてλem=620nm。これらの結果により、電子不足なπ電子系を母核として持つ蛍光色素のフェノール性水酸基を4-hydroxystyryl基により置換すると、本の蛍光色素に比べて長波長側に蛍光特性を示す蛍光色素を構築できることを示せた。しかし、残念ながら、近赤外領域で活用できる蛍光色素の開発には未だ至っていない。そこで、現在、これらの知見を踏まえ立案し直した蛍光色素の設計戦略に基づき、幾つかの候補化合物を合成し、実用的な量子収率ならびに蛍光特性を示す近赤外蛍光色素の設計開発を目的として、引き続き研究を行っている。
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