2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内小器官トランスポータの新しい機能解析法の開発
Project/Area Number |
21659019
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金子 周司 京都大学, 薬学研究科, 教授 (60177516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 貴之 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (30303845)
白川 久志 京都大学, 薬学研究科, 助教 (50402798)
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Keywords | solid-supported membrane / シナプス小胞 / ミトコンドリア / トランスポータ / 小胞体 |
Research Abstract |
チオール単分子膜で保護された金(Gold)は機能性デバイス素材として広く注目されており、特にGold基盤上に形成される自己組織化単分子層(self-assembled monolayer;SAM)は、バイオ素子やセンシング素子への応用を目指して盛んに研究されている。そこでSAM上に生体膜脂質をコーティングし、さらにその上へ生化学的に調製した細胞膜断片を付着させた固相化細胞膜(solid-supported membrane;SSM)を調製し、Surfer Oneシステムを用いることで、トランスポータ電流応答の記録を行った。はじめに、CHO細胞に発現させたPepT1を介するGly-Gly輸送電流をEC50=4mMという従来法と同様の高感度で数時間にわたって安定した測定を行うことに成功した。さらにアミノ酸輸送体EAAT3を介するGly輸送電流について、固定化膜内外のK+およびNa+濃度勾配を駆動力とするNa+流入応答として記録することに成功した。EC50値は20μMであり、nMレベルの阻害薬TFT-TBOAによって可逆的に抑制された。以上の結果からSSMを用いるトランスポータの電流応答測定はリガンドスクリーニングに有用であるだけでなく、輸送の駆動力やストイキオメトリの研究にも有用であることが明らかになった。また、細胞内小器官に存在する起電性トランスポータやイオンチャネルの応答を測定することも可能であることがわかった。今後はさらに測定可能なトランスポータのレパートリーを増やす応用研究が必要になると考えられる。
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