2009 Fiscal Year Annual Research Report
薬毒物の毒性発現におけるマイクロRNAの変動解析とその安全性評価への応用
Project/Area Number |
21659032
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
吉田 武美 Showa University, 薬学部, 教授 (90006354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貝崎 明日香 昭和大学, 薬学部, 助教 (70407443)
堀井 郁夫 昭和大学, 薬学部, 客員教授 (10527203)
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Keywords | マイクロRNA / 肝毒性 / 精巣毒性 / 胎盤毒性 / 毒性発現機構 |
Research Abstract |
本研究は薬毒物の毒性発現と各臓器のマイクロRNA変動解析を行い、安全性評価への応用を目的とする。 肝毒性は、カニクイザルにアセトアミノフェン(APAP、600mg/kg)を静脈内投与し、24時間後の肝臓を採取するが、個体差があるため、肝生検を用いて投与1ヶ月前の肝臓を事前に採取しておき、同一個体で経時的な比較可能な実験系を確立した。現在別途に、カニクイザルmiRNA用カスタムアレイの作製中である。また、同一個体(4個体)の肝臓を用い、投与前及びAPAP投与24時間後のmiRNAの発現をマイクロアレイスキャナーで検出し、現在、データを比較・解析中である。胎盤毒性については、6-メルカプトプリン(6-MP投与群野妊娠ラットへの投与では,剖検時腹水がみられ、胎盤重量のの顕著な減少傾向を示、胎盤で発現変化が大きいmiRNAがいくつか見られた(~2倍)、アポトーシスに関連していると思われるmiRNAが変化していた。発現量の最も高かったのはmiR-21であった。さらに、精巣毒性学的なマイクロRNAの役割を検討するため、エチレングリコールモノメチルエステル(EGME)を2000mg/kg及び50mg/kgをラット(一群N=5)に単回経口投与後6及び24時間後の精巣を採取し、miRNasey mini kitにてマイクロRNAを含んだ総RNAを抽出し、Aglient社製のマイクロアレイにてDuplicateで解析を行った。その結果、EGME 2000mg/kg群で対照群に比し、発現が増加したマイクロRNA、miR188、125a-3p、760-5p、および発現の減少したmiR34b、34c、449a、92aが見出された。これらのマイクロRNAは全て精子形成に関与するメッセンジャーRNAとの結合が示唆されており、これらのマイクロRNA発現の変動が精巣毒性に関与している可能性が示された。
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