2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659041
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大戸 茂弘 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 教授 (00223884)
|
Keywords | 生体リズム / 人工体内時計 / 時間薬理 / がん / 創薬 |
Research Abstract |
本実験では、体内時計のフィードバック機構の制御因子に着目し、リズミックに遺伝子を発現する新規時計遺伝子発現ベクターを作製し、体内時計のフィードバック機構を強化するための人工体内時計を開発する。次に作製した新規時計遺伝子発現ベクターに癌細胞選択性を搭載した人工体内時計を開発する。それを用いて癌関連遺伝子の制御の破綻および生体リズム変容の改善といった全く新しい視点から、新種の抗癌剤創薬を目指す。まず、体内時計のフィードバック機構を強化するための新規時計遺伝子発現vectorを作製し、人工体内時計の構築を目指した。対象とする遺伝子は、E-box制御の因子、RORE制御の因子、D-site制御の因子とした。各々の時計遺伝子に対して、それぞれintact promoterおよびその配列を基にリズミックな転写活性を強化したpromoter vectorを作製した。promoter vectorの転写活性リズムを測定し、各々の時計遺伝子に対して、各promoter vector間でリズムの強度を比較検討した。その結果、promoter vectorの転写制御領域の種類により、リズムの位相が異なることが明らかとなった。さらに、promoter vectorの転写制御領域の数により、リズムの振幅が異なることが明らかとなった。各々の時計遺伝子promoter vectorを対象に、各promoterに対応した時計遺伝子タンパクをコードする遺伝子配列を導入し、時計機能を有する時計遺伝子発現vectorを作製した。発現vectorのタンパク発現リズムを測定し、各々の時計遺伝子に対して、各promoter vector間でリズムの強度を比較検討し、同様の所見を得た。現在、それらの機能評価を行っている。
|