2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子強制発現に対する哺乳動物細胞の防御機構の解明
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21659054
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
村岡 正敏 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (30260334)
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Keywords | 強制発現 / 増殖抑制 / 免疫沈降 / EGFP / 培養細胞 |
Research Abstract |
現在、iPS細胞をはじめとして幅広い分野において細胞への遺伝子の導入と強制発現が使われている。しかし、個々の遺伝子産物ではなく、強制発現そのものが細胞に対して毒性を持つ可能性とそれに対する細胞の防御機構についてはほとんど研究されていない。このことを解明するため、申請者は今年度、発現誘導系のGeneSwitch system(invitrogen)をC2C12細胞に導入し、EGFPとLuciferaseを発現するstable cell lineを、それぞれにおいて数クローンずつ得た。これらのクローンについて発現誘導を行った場合、細胞の増殖抑制がみとめられた。これは強制発現の細胞毒性のひとつの表現系だと考えられる。また、これらのクローンと共に、doxycycline誘導系によるEGFP発現細胞も数クローン準備した。これらのうちそれぞれ1-2クローンを用いて、発現誘導前後のcell lysateをとり、EGFPやLuciferase(あるいはそれに付随するtag)の抗体をもちいた免疫沈降を行った。これはEGFPとLuciferaseといった本来C2C12細胞中に存在するはずがないタンパク質が、強制発現させているにもかかわらず、ある一定量を保ち細胞中に存在する機構(細胞による強制発現に対する防御機構)を解明する手がかりを得るためである。この免疫沈降の結果、EGFPとLuciferaseの強制発現と共に、これらの蛋白と共沈してくる蛋白がSDS-PAGEによりみとめられた。得られたバンドを質量分析により解析したが、量が少なかったためか、はっきりと同定することはできなかった。今後、スケールアップにより、これらの蛋白を同定していく予定である。
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