2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工核酸による脳局所急性ノックダウン手法の開発とこれを用いた睡眠制御分子の探索
Project/Area Number |
21659056
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
池田 真行 University of Toyama, 大学院・理工学研究部(理学), 准教授 (10288053)
|
Keywords | 睡眠・覚醒 / 遺伝子改変 |
Research Abstract |
本研究では、標的となるDNAやRNAに対する結合親和性を高め、かつヌクレアーゼ耐性を獲得する架橋構造を核酸分子内に持つ人工核酸(Locked Nucleic Acid:LNA、あるいはBridged Nucleic Acid: BNAともいう)を用いて、睡眠制御分子の特定や機能解析を行うことを目的としている。具体的には、代謝型グルタミン酸受容体(mGluR1α)やH_1型ヒスタミン受容体の脳部位特異的なノックダウンを行い、これによって生ずる睡眠脳波の異常を解析することを目的としている。 初年度には、(1)PLC-β4(mGluR1,5ファミリーと共役するシグナリング酵素)ノックアウトマウスや、(2)特異的H_1ブロッカー(セチリジン)注入ラットについての睡眠解析を完了した。なお(1)については、オレキシンノックアウトマウスと相似する異常なREM睡眠発現パターンを明らかにし、その結果を国際学術論文にまとめた。また、(2)については、セチリジンの第三脳室連続微少注入が、NREM睡眠を増強させることを明らかにし、この結果を国際学会において発表した。さらに、これらの結果を基に、LNAの脳内注入実験を開始し、LNAによりノックダウンされた場合と、上記(1,2)の睡眠表現型との相関解析を進めている。また、mGluR1αを発現するCHO細胞や、LNA注入した脳部位(外側膝状体)でりmGluR1αノックダウン効果を比較するために、ウエスタンブロッティング解析を進めている。
|
Research Products
(3 results)