2009 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部弓状核尾側のヒスタミンH1受容体を介する摂食調節機構
Project/Area Number |
21659058
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福井 裕行 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90112052)
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Keywords | 摂食調節 / c-Fos / ヒスタミン神経系 / 弓状核 / ヒスタミンH1受容体 / ストレス / 結節乳頭核 |
Research Abstract |
ラットを1日1回(2時間)の条件給餌で2週間飼育することにより、体重は一定のレベルを維持するようになった。この条件給餌ラットの2週間後の給餌を中止し、中止2時間後、及び、4時間後の視床下部のc-Fos発現を調べた。その結果、視床下部弓状核尾側にのみ強いc-Fos発現を見いだした。そして、中止後2時間後より、4時間後の方に、より強いc-Fos発現が見いだされた。それに対して、吻側のc-Fos発現細胞は非常に少なかった。また、条件給餌を昼間(10:00~12:00)に行うよりも、夜間(22:00~0:00)に行う方が強いc-Fos発現が引き起こされた。視床下部の他の部位(腹内側核、外側野、及び、室傍核)にはc-Fos発現が見いだせなかった。弓状核尾側のヒスタミンH1受容体発現を抗ヒスタミンH1受容体抗体による免疫組織化学で調べたところ、c-Fos発現細胞は全てヒスタミンH1受容体陽性細胞であった。次いで、条件給餌で飼育したラットの給餌中止時刻の2時間前に抗ヒスタミン薬(10mg/kgジフェンヒドラミン、及び、20mg/kgメピラミン)を投与したところc-Fos発現細胞は顕著に減少した。一方、条件給餌ラットの給餌中止の2時間後、及び、4時間後の結節乳頭核におけるc-Fos発現を調べた。その結果、2時間後に結節乳頭核のc-Fos発現が顕著に増加した。以上の結果より、1日1回の条件給餌により条件づけされたラットは給餌の中止によりヒスタミン神経細胞、及び、弓状核尾側のヒスタミン神経の投射細胞が活性化され、c-Fos発現が増加するこ考えられた。
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Research Products
(2 results)