2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659061
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 十志也 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (20396930)
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Keywords | 胆汁酸 / 糖尿病 / 核内受容体 / 膵島 / FXR |
Research Abstract |
本研究では、胆汁酸をメディエーターとした肝臓と膵臓とのクロストーク、および胆汁酸によるFarnesoid X receptor (FXR)の活性化を介した膵島保護作用を明らかにすることを目的とし、膵β細胞特異的FXRノックアウトマウスを用いて機能解析を実施することを目標としている。本年度では、FXR FLOXマウスを米国NIHより入手し、C57BL/6Nマウスとの戻し交配を実施した。これまでに、FXRのリガンドを用いたトランスクリプトーム解析の結果から新規の標的遺伝子としてリストアップした遺伝子群について、野生型およびFXRノックアウトマウスより調製した膵島を用いてFXR依存性を検討し、膵島の発生や細胞増殖に関わる遺伝子がFXRの標的遺伝子であることを見いだした。細胞増殖などに関与する遺伝子群の中で、FXR合成リガンドによって最も誘導された遺伝子のTGFβ3に着目し、遺伝子5'上流について解析を行ったところ、約2kb上流にFXR-RXRヘテロ二量体が結合するinverted repeat 1 (IR1)が存在していた。そこで、この領域を含むリポーター遺伝子を作製し、マウスおよびラットインスリノーマMIN6およびINS1E細胞を用いてFXRリガンドによる影響を検討したが、有意なレポーター遺伝子の活性化は認められなかった。また、これらの細胞にFXRリガンドを添加しても膵島において同定した標的遺伝子群の発現変動は認められなかった。これらのことから、培養細胞系ではFXRの修飾等の活性化が起こらない、あるいは膵島特異的な共役因子が細胞系では欠如している可能性が考えられた。
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