2009 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞からiPS細胞を介し樹状細胞を誘導し、がん免疫療法に利用する試み
Project/Area Number |
21659068
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邉 すみ子 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特任教授 (60240735)
|
Keywords | がん / 樹状細胞 / iPS / 腫瘍抗原 |
Research Abstract |
マウスに化学発ガン剤を投与して作製したがんの複数種類のセルラインから抗原の分かっているラインとしてメラノーマのセルラインを、抗原がはっきりしていないが同様に作製された他のがん種として大腸ガン、繊維芽細胞腫のラインについてiPS細胞の樹立を試みた。通常のiPS細胞の樹立に利用しているVSVG-pseudo typeのレトロウイルスがいずれも高効率で感染する事をまず確認したが、4 factorあるいは3 factorのレトロウイルスを感染させてもiPS細胞の誘導はできなかった。遺伝子導入方法をレトロウイルスから市販のリポフェクション試薬、タンパクの細胞膜通過エピトープを用いた方法に変更したがやはりいずれもiPS細胞の樹立は困難であった。一方で、iPS細胞より樹状細胞を誘導するプロトコール作りを行ない、マウスのiPS細胞からOP9細胞をフィーダーとして用い、その後、様々なサイトカインを培地に添加する事で効率良く複数のサブセットの樹状細胞を誘導するプロトコールが確立した。サブセット間の性質の違いについて検討を加えている。さらに同様の方法を用いてヒトiPS細胞からも効率よく樹状細胞サブセットの分化に成功した。LPS刺激によりmaturationも起こり、抗原の貪食・切断能が確認された。さらにPDCのサブセットを誘導するプロトコールの確立を目指している。今後の問題として、遺伝子が発現しているにも関わらず何故iPS細胞が樹立できないのかという問題が残ったが、p53遣伝子の発現量を人為的に変動させる事で樹立が可能になるかどうかについて検討を加えている。
|
Research Products
(3 results)