2009 Fiscal Year Annual Research Report
独自開発のm-CRAベクターによる多能性幹細胞由来の腫瘍細胞治療技術の開発
Project/Area Number |
21659072
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小戝 健一郎 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90258418)
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Keywords | 再生医学 / iPS細胞 / 腫瘍化 / 増殖型アデノウイルス / ES細胞 |
Research Abstract |
全能性幹細胞での再生医学の最重要の克服課題は「腫瘍化の阻止」である。特に既に染色体が傷ついた成熟細胞をリプログラミングするiPS細胞においてはこの点が懸念されるが、最新の研究でも「iPS作製時の発癌リスクの軽減」にしか視点がない。よって本研究は「腫瘍化は完全には阻止できない」と考え、「全能性幹細胞から腫瘍化する細胞を除去する新技術を開発する」という、全く違った方向性からこの問題を解決するため、癌遺伝子治療用に独自開発したm-CRAベクターを用いて全能性幹細胞からの腫瘍化細胞を除去する技術を開発する研究を以下のように行なった。 1. iPS細胞の未分化、分化段階での内因性発現レベルとプロモーター活性の解析として、ヒトiPS細胞で未分化、ならびに目的(マーカー)遺伝子の内因性発現レベルを調べた。 2. m-CRAベクターをヒトiPS細胞に種々の条件で感染させ、未分化、分化状態での、ウイルス増殖の動態や、効率的な感染方法を検証した。条件として、iPS細胞塊での感染、あるいは孤立細胞状態での感染、あるいはウイルス量/細胞量の比(Multiplicity of infection)を様々に変え、目的の高効率の遺伝子導入、ならびに細胞傷害効果が得られる条件などを検証した。種々の新しい結果が得られた。 全く新しい試みであり、上記の検証による研究成果は、本挑戦的萌芽研究の目的を達成している。特にm-CRAの新しい有用性にも、iPS細胞の今後の研究の展開についても、大きな示唆を与える重要な成果が得られた。また具体的な結果は特許申請前であることから現時点では発表が難しい段階であるが、現在さらなる発展研究を行なっているのでその成果を待って、特許/論文発表する予定である。
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[Journal Article] Anti-Fas Gene Therapy Prevents Doxorubicin-induced Acute Cardiotoxicity through Mechanisms Independent of Apoptosis2010
Author(s)
Miyata S, Takemura G, Kosai KI, Takahashi T, Esaki M, Li L, Kanamori H, Maruyama R, Goto K, Tsujimoto A, Takeyama T, Kawaguchi T, Ohno T, Nishigaki K, Fujiwara T, Fujiwara H, Minatoguchi S.
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Journal Title
The American Journal of PATHOLOGY 176(2)
Pages: 687-698
Peer Reviewed
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[Journal Article] Postinfarction gene therapy with adenoviral vector expressing decorin mitigates cardiac remodeling and dysfunction2009
Author(s)
Li L, Okada H, Takemura G, Kosai KI, Kanamori H, Esaki M, Takahashi T, Goto K, Tsujimoto A, Maruyama R, Kawamura I, Kawaguchi T, Takeyama T, Fujiwara T, Fujiwara H, Minatoguchi S.
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Journal Title
American journal of physiology : Heart and circulatory physiology 294(4)
Pages: H1504-1513
Peer Reviewed
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