2010 Fiscal Year Annual Research Report
下垂体ゴナドトロピン産生細胞および腫瘍における可塑的機能分化
Project/Area Number |
21659090
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
井野元 智恵 東海大学, 医学部, 助教 (20459423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹腰 進 東海大学, 医学部, 准教授 (70216878)
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Keywords | FSHβ / LHβ / DNAメチル化 / CpG / 転写因子 |
Research Abstract |
「LHβ遺伝子にはFSHβ遺伝子と比較してDNAメチル化の影響を受けやすい原因があり、腫瘍化に伴うDNAメチル基転移酵素(DNMT)群の高発現によって転写抑制が起こる」という作業仮説を立て、CpGメチル化解析法であるメチル化特異的PCR(MSP)法および、バイサルファイトシーケンス法の2種類の方法を用いてLHβ・FSHβ遺伝子上流500bp中に存在するCpGのメチル化解析を行い、この仮説証明を試みた。1. MSP法によるCpGメチル化解析: LHβプロモーター領域に対して3組のプライマーを用いてMSP法を行った。LHβ転写開始点に近いMSP-LH1プライマー(LH CpG1, 2, 4, 5)、MSP-LH2プライマー(LH CpG 1, 2, 7, 8)、最もLHβ転写開始点より遠いMSP-LH3プライマー(LH CpG 9, 10, 12, 13)のいずれにおいても非メチル化は見られなかった。2. バイサルファイトシーケンス法によるCpGメチル化解析:シーケンス解析は、シーケンサーにより自動判別された配列をもとに行い、自動判別不能部位については解析データをSequence Scanner Version 1.0(Applied Biosystems社)を用いて表示・拡大し読み取ったものを使用した。転写因子Egr-1結合部位と重なるLH-CpG3, 4, 5はメチル化の比率が高い傾向にあり、これらのメチル化状態とLHβ発現には関係がないように考えられた。その他のCpGにおいてもメチル化・非メチルの混在が見られたが、転写開始領域に非常に近いLH-CpG1,2がメチル化・非メチル化の混在であった場合にLHβの発現がみられる傾向にあった。FSH-CpG1では比較的メチル化されている割合が低かった。以上の結果から、LH-CpG1, 2のDNAメチル化がLHβ遺伝子発現に重要な役割を果たしていることが強く示唆された。
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