2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胚性幹(ES)細胞を生かすことができるヒトフィーダー単離システムの創成
Project/Area Number |
21659092
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
梅澤 明弘 National Research Institute for Child Health and Development, 生殖・細胞医療研究部, 部長 (70213486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 純一郎 国立成育医療センター(研究所), 副所長 (60175578)
秦 順一 国立成育医療センター, 名誉総長 (90051614)
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Keywords | ES細胞 / 遺伝子解析 / 再生医療 / 細胞移植 |
Research Abstract |
本研究において、我々は、周産期及び成育期の組織より様々な細胞株を樹立培養してきたが、ヒト成育期の一部の組織が幹細胞と非常に良好にマッチングしていることを突きとめた。更に同じ組織内においても部位の違いにより遺伝子発現パターンなど分子レベルで違いがあることが明らかとなった。また、解剖学的な組織形態の別に分離した各組から細胞ラインを樹立した。更に、フィーダー細胞株を樹立する過程で現在使用している牛胎児血清を除去した異種由来物を排除した培養環境でのフィーダー細胞樹立を行った。我々は本施設において多数のヒト由来間葉系幹細胞の培養法の確立、細胞形質の解明、可塑性の検討等を精力的におこなっている。カスタムメードcDNAアレイ作成・解析装置及びAffymetrix社GeneChipシステムを保有し、遺伝子発現解析研究を推進した。既存の細胞株マイクロアレイデータをヒトES細胞未分化維持に働く遺伝子発現を中心にクラスタリング解析を行った結果、最初のふるい分けができることが強く示唆された。各組織別や同組織のなかで解剖学的部位別の非常にユニークな遺伝子発現データを蓄積し、我々が挙げた未分化維持に働く遺伝子発現パターンにどのような影響を与えているか細胞株の特性検定を行った。幹細胞とフィーダー細胞のマッチングにおいて、フィーダー細胞由来の解剖学的部位にまで詳細に検討した報告はいまだない。本研究を行うことで今後の適切なヒトES細胞研究の先導となる知見を提供することが可能となる。
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