2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659093
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大場 雄介 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 准教授 (30333503)
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Keywords | 腫瘍微小環境 / 環境適応 / 悪性腫瘍 |
Research Abstract |
口腔癌をモデルに癌細胞の微小環境適応因子として、receptor activator of nuclear factor kappa B ligand(RANKL)を同定し、その機能解析を行った。RANKLのmRNA発現をヒト口腔癌組織で検索したところ、舌癌・歯肉癌を問わずその発現が認められた。RANKLの発現量と臨床病期を初めとする種々の因子との相関を検討したところ、組織学的分化度とのみ正の相関が認められた。すなわち、低分化型扁平上皮におけるRANKLの発現量が他の組織型と比較して有意に高く、免疫学組織染色において蛋白質レベルでも発現が確認できた。一方、各種口腔癌細胞株においては、調べた限りRANKLの発現量は著しく低く、樹立した元の腫瘍の組織型が低分化型であっても、コントロールの数倍程度であった。そこで、培養細胞と実際の癌組織での発現量の相違は、癌細胞周囲の微小環境の有無に起因するという仮説を立て、培養癌細胞をヌードマウスの口腔に移植したところ、予想通りRANKLの発現が亢進した。一方で同じ細胞株をマウスの下肢に移植したところ、口腔に移植して形成された腫瘍と比較して有意に小さく、RANKLの発現も低かった。すなわち生体内の周囲組織依存的に発現したRANKLが、腫瘍形成に関与することを示唆する結果である。さらにRANKLの腫瘍形成における役割を明らかにするために、RANKL過剰発現細胞を樹立しマウスの下肢に接種したところ、口腔環境同様に腫瘍の形成が認められた。また組織学的に、コントロール細胞で形成された腫 瘍が高分化型扁平上皮癌の組織型を示したのに対し、RANKL発現細胞によって形成された腫瘍は低分化型であった。以上の結果から、RANKLは生体内特異的に発現し腫瘍形成を制御する環境適応因子であり、低分化型の癌すなわち悪性度の高い癌の形成に関与する因子であることが明らかとなった。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Increased motility and invasiveness of tumor cells that survived 10Gy irradiation2009
Author(s)
K.Tsusumi, M.Tsuda, N.Yazawa, H.Nakamura, S.Ishihara, H.Haga, M.Yasuda, R.Yamazaki, H.Shirato, H.Kawaguchi, T.Nishioka, Y.Ohba.
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Journal Title
Cell Struct.Funct 34
Pages: 89-96
Peer Reviewed
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