2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659107
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中根 明夫 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30164239)
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Keywords | リステリア / 抗体 / 病原因子 / 感染症 / 治療 |
Research Abstract |
本課題は、防御免疫が抗体非依存的であるとされるリステリア癌染に対する抗体治療戦略を構築することを目的としている。この目的に対し、昨年度までにリステリア感染に関与する病原因子であるLLO、Ami、p60、ActA、In1B、FbpAに対するウサギポリクローナル抗体を作製し、マウスリステリア感染モデルにおいて治療効果、予防効果を確認した。本年度はこれらの機序を解明する目的で主に培養細胞を用いた解析を行った。 1.抗LLO抗体の効果の検討:(1)昨年度の研究で特に高い予防効果を示した抗LLO抗体の作用機序を解析するため抗LLO抗体でマクロファージ細胞株RAW264.7を24時間処理後、リステリアを感染させたところ増殖が抑制された。また、この効果は、抗体の取り込みを阻害するサイトカラシンDの投与によって消失したことから抗LLO抗体は細胞内で効果を示すと考えられた。(2)リステリアのファゴリソソームからの脱出に対する抗LLO抗体処理群でのリステリアの動向を蛍光染色により観察した。 2.抗ActA抗体の効果の検討:抗ActA抗体がリステリアのアクチンテイル形成ならびにそれにもとづく近接細胞への脱出を阻害することを蛍光染色法ならびにプラーク法により明らかにした。 3.抗Ami抗体、抗FbpA抗体、抗In1B抗体の効果の検討:接着分子であるAmi、FbpA、In1Bに対する抗体が接着を阻害することによって特に肝細胞で細胞内菌数が減少することを蛍光染色法により明らかにした。 抗体のオートファジーの誘導ならびにオートファゴソームの形成への関与の検討:特に抗LLO抗体ならびに抗ActA抗体について、リステリア感染で重要な役割を果たすオートファジーへの効果についてLC3-GFP発現HeLa細胞株を構築して検討した。
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Research Products
(5 results)