2010 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージ細胞内のレジオネラを認識する宿主因子複合体の同定
Project/Area Number |
21659108
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
菖蒲池 健夫 佐賀大学, 医学部, 助教 (70336113)
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Keywords | 細菌 / 遺伝子 |
Research Abstract |
これまでに,マクロファージ細胞株でNaip5の安定発現株を作製し,L.pneumophila感染に対するNaip5の防御的な役割を明らかにしてきた.Naip5による防御は,フラジェリンを欠損したL.pneumophila変異体の感染では消失することから,Naip5を含む複合体によるフラジェリンの検知が,L.pneumophila感染の防御において重要な過程であると考えている.本年度は,Naip5を含む複合体の同定を進行させつつ,これと並行して,Naip5とフラジェリンとの直接の結合の有無を検討した.293細胞でNaip5とフラジェリン遺伝子(flaA)を一過性に共発現させ,免疫沈降実験をおこなったところ,両者の結合は確認できなかった.このことから,L.pneumophila感染マクロファージにおいて,フラジェリンは未知の因子を介してNaip5に検知されていることが示唆された.一方,Naip5はL.pneumophila感染マクロファージの細胞死を促進する.感染とは別の細胞ストレスとして,DNA傷害と酸化ストレスをそれぞれ与えたところ,これらで誘導されるマクロファージの死はともに,Naip5により抑制されることがわかった.これらの結果から,Naip5は,マクロファージ内に生じたストレスの種類に応じて細胞死を誘導または抑制することにより,マクロファージの生存をコントロールしていることが示唆された
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Research Products
(3 results)