2009 Fiscal Year Annual Research Report
細菌型mitoNEET新規構造に立脚したレドックスシステム生理学的解析
Project/Area Number |
21659111
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
岩崎 俊雄 Nippon Medical School, 医学部, 講師 (40277497)
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Keywords | mitoNEET / 鉄硫黄クラスター / 金属蛋白質 / 好熱菌 / レドックス / 構造機能生理 / 国際情報交流 / アメリカ:ドイツ |
Research Abstract |
哺乳動物のmitoNEETは、ミトコンドリア外膜に局在し、抗インスリン改善薬ピオグリタゾンの標的酵素の1つと考えられている。しかし、その生理機能は一切不明である。高度好熱菌Thermus thermophilusゲノム解析で見出した細菌型mitoNEETホモログにつき、構造機能生理解析を連携して行い、平成21年度には以下の主要成果を得た。 1.好熱菌mitoNEETホモログの結晶構造解析・EXAFS解析を国内外共同研究として行い、蛋白質骨格構造および[2Fe-2S]クラスター中心の構造をラット酵素と比較し、国際生物無機化学会で発表した。また、耐熱性カナマイシン遺伝子を利用した相同組換により、好熱菌mitoNEETホモログの欠損株を作成、本酵素が生育に必須であることを示した。さらに好熱菌の網羅的トランスクリプトームデータを解析し、細菌型mitoNEETホモログ遺伝子が、好熱菌で恒常的に発現していることを確認した。予想に反し、膜酵素をコードする上流側近接遺伝子はほとんど発現していなかった。これらの研究成果は、次年度に論文として発表する。 2.好熱菌mitoNEETホモログのポリクロナル抗体を作成し、好熱菌の可溶性画分に本酵素が存在することを確認した。次年度に細胞内局在部位を検討する。また、ヒト・ミトコンドリアおよび好熱菌酵素ホモログの立体構造比較および保存性アミノ酸配列情報に基づき、遺伝子操作しやすいシアノバクテリアのゲノム情報ベースに細菌型mitoNEETホモログの有無を検討したが、有為なホモログ同定には至っていない。 3.ラットmitoNEETの詳細なpulsed EPR解析を国際共同研究として行い、二量体中の2つの[2Fe-2S]クラスター間のスピン相互作用を詳細に解析した。また、ラットmitoNEETでは、His側鎖、Cys側鎖に配位する分子表面側のFe原子が還元されることを示した。本研究成果は、論文として発表した。
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Research Products
(5 results)