2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659112
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹内 薫 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (00192162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 道之 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (50201405)
森川 一也 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (90361328)
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Keywords | ワクチン / 葉緑体 / E型肝炎ウイルス / ウイルス中空粒子 / 遺伝子組換え / インフルエンザウイルス / 粘膜免疫 / 抗原ペプチド |
Research Abstract |
従来の「食べるワクチン」には、植物体内での目的タンパク質の生産量が低い、目的のタンパク質が胃酸で分解される、粘膜免疫の誘導が困難といった問題があり実用化への障壁となっていた。本研究の目的は、全可溶性タンパク質の40%を越える組換えタンパク質の生産が可能な葉緑体などの色素体を用い、胃酸に耐性で腸管に到達し粘膜免疫を誘導するE型肝炎ウイルスのウイルス中空粒子に目的の抗原ペプチドを付加したものを産生することによって上記の3つの問題を克服し「抗原性の高い有効な食べるワクチン」の開発を目指すことである。そのために、緑体形質転換効率の高いタバコに、インフルエンザウイルスのペプチドを付加したE型肝炎ウイルス中空粒子産生用遺伝子を組込んだ葉緑体発現用ベクターをパーティクルガンで打込んだ。現在、タバコ葉をリーフディスク法によりスペクチノマイシン濃度を高めて形質転換した葉緑体と野生型葉緑体を併せ持つ状態(heteroplasmy)から形質転換した葉緑体だけをもつ状態(homoplasmy)に近づけ、個体再生を図っているところである。また、この実験と並行して、トマトの果実に特異的な遺伝子の発現が期待できるE8プロモーターを有するベクターにインフルエンザウイルスのペプチドを付加したE型肝炎ウイルスのウイルス中空粒子産生用遺伝子を組込み、アグロバクテリウム法によりトマトのカルスに導入した。これまでに、11系統の形質転換体が得られ、RT-PCR法で導入遺伝子の発現を確認することができた。さらに、ひとつの個体でWestern blottingにより抗原ペプチドのバンドが確認できた。現在、実った果実から種を採取・播種し、T2世代を育成している。
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