2010 Fiscal Year Annual Research Report
有機低分子によるインターロイキン6同属分子の機能的重複と多様性機序解明と臨床応用
Project/Area Number |
21659121
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉崎 和幸 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 客員教授 (90144485)
|
Keywords | 分子構造 / 多様性機能 / 分子間結合伝達 / バイオテクノロジー / 免疫学 / IL-6 / サイトカイン |
Research Abstract |
サイトカインの機能的多様性を明らかにするため、形状相補性を基にした分千設計法を用いて、IL-6に結合しIL-6/IL-6Rシステムをピンポイントで結合阻害する低分子を、数百万のライブラリーから約200の低分子を絞り込んだ。 以下の方法で解析するのに必要な低分子候補を得た。 1.低分子化合物のIL-6への結合は、Bia-coreを用いたSPR法を用いて選択した。 2.低分子化合物がIL-6/IL-6Rの結合を阻害するかを、同じくBia-core法で選別した。 3.低分子化合物のIL-6機能阻害をIL-6刺激肝細胞によるCRPの発現、ヘプシジンの発現阻害で検討した。本アッセイ系は我々独自で開発・確立し、IL-6阻害を特異的に見出す最も良い測定系である。しかもヘプシジンの系は、異なるIL-6シグナル伝達系を介するかにより作用が相反し、いかなる伝達系が活性化されかを推測しうる。 4.以上の結果から、選択化合物の中にIL-6に結合するが、IL-6/IL-6R結合を阻害するものもあればしないものも認められた。つづいて、IL-6に結合するがIL-6機能を阻害するものもあればしないものも認められ、多様な化合物を見出した。 更に、作用の異なる化合物を得ると共に、gpl30のリン酸化の有無、STAT3又はC/EBPβリン酸化の有無を検討した。このことによって、シグナル伝達を異にして、転写因子の活性化を異にする対応遺伝子の発現により、IL-6の1つの刺激にもかかわらず、機能の多様性が生じる可能性を一部証明した。
|