2009 Fiscal Year Annual Research Report
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21659132
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
入澤 太郎 Osaka University, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (50379202)
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Keywords | 院内救急 / 突然の院内急変 / 蘇生 / CPR / 突然の院内心停止 / 救急コール / Rapid Response Team |
Research Abstract |
2003年から2008年の院内急変による救急コール(当院ではCPRコールと呼称)の報告書を元に症例を検索したところ、235例の症例を認めた。235例について検討したところ、CPRコール中、実際に心肺停止症例であった症例は71症例であった。71症例を検討してみると、心・脈管疾患は29例、悪性疾患は25例であった。続いて、代謝・内分泌・免疫疾患は9例、眼科疾患は2例、精神疾患は2例、その他は脳外科疾患、整形外科疾患、腎疾患、小児外科疾患が1例ずつで、合計4例であった。予兆となる因子としては、心・脈管疾患か、もしくは悪性疾患であるということがあきらかとなった。しかし、それ以上の詳細な因子については、カルテ記載から拾い上げることには限界があることがあきらかとなり、今後、コール周辺での状況を詳細にインタビューする方策が必要であると考えられた。特に詳細な記載が残っている2005年から2008年のデータに着眼してみると、発症より緊急コールまでの時間が10分以上必要とした症例が40%前後であり、今後の改善を必要としたが、一方で、蘇生チームが現場へ到着するまでは、おおむね5分以内との結果であった。71例の心肺停止症例に着眼してみると、自己心拍再開例は、53例(75%)、そのうち生存退院は17例(24%)であった。17例中、脳機能障害を呈したものは、3例であり、残りの14例は高次脳機能を含む脳機能の障害を残さずに退院していた。14例中、高度な蘇生処置である、PCPSを行った症例が4例、外科的気道確保を行った症例が1例含まれていた。今後、新たなCPRコールの報告用紙の改訂と、電子入力によるペーパーレス化、および予兆因子を拾い上げるため、個別にヒアリングをかけるシステムの検討を行う。
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Research Products
(1 results)