2009 Fiscal Year Annual Research Report
診療フレーム解析による救急医療の標準化阻害因子とその解決策に関する研究
Project/Area Number |
21659135
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
織田 順 Tokyo Medical University, 医学部, 准教授 (60459500)
|
Keywords | フレーム構造 / リスクマネジメント / 標準化 / 医療安全 / 救急医学 |
Research Abstract |
救急領域では診療の標準化による医療安全への取り組みは他の領域と比較して遅れがちで、現状ではインシデント報告の蓄積や確認項目のIT化による改善が試みられているにすぎず、そのため救急医療の専門性を可視化し確立する際の障壁となっている。診療アプローチが他の診療科と異なるため、他診療科スタッフから敬遠されがちで、標準化が困難とされてきた。社会的ニーズが高まっている、特に1-2次救急の診療担当者は、日常は救急以外の様々な専門性で仕事をしている非救急専従医であるが、診療フレームと呼ぶべき思考過程の違いに注目して救急医療の質保証を検討した研究はない。救急診療の専門医と非専門医の診療フレームがどのように異なるか、患者状態適応型パスシステムの臨床プロセスチャートを用いて実診療を可視化したのものを用いて検討した。さらに、DPC様式を用いて診療行為を抽出し、多施設問における標準化診療の比較を試みた。救急領域の中でも集中治療中の病態へのアプローチは特に困難で、集中治療室から非専門医の足が遠のく原因となっているが、これを平易に理解するためのアプローチを標準化の観点から開発した。本年度は、実診療を上記臨床プロセスチャートの各ユニットに書き留め蓄積する作業を進めた。今まで困難であった質の評価が行えた。今後これを用いてリソース消費・配分を解析できる。また、チャートのルートを外れる症例の蓄積はそのままリスクの度合いを表しているため、これを可視化し定量化した上で診療現場に還元できる。
|
Research Products
(21 results)