2009 Fiscal Year Annual Research Report
科学的根拠に基づく体外循環技術の確立と国際協働に向けた基盤整備のための調査研究
Project/Area Number |
21659137
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Research Institution | Fujita Health University College |
Principal Investigator |
日比谷 信 Fujita Health University College, 専攻科, 講師 (70259323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
見目 恭一 埼玉医科大学, 保健医療学部, 准教授 (70438860)
亀井 哲也 藤田保健衛生大学短期大学, 医療情報技術科, 助教 (40369583)
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Keywords | 体外循環 / エビデンス / 臨床疫学研究 / ガイドライン / 標準化 / 医療安全 / 臨床工学技士 / 診療情報管理 |
Research Abstract |
この研究は、患者benefit向上のために、体外循環の安全と技術水準の向上を目標に、全国的に体外循環の記録を長期間、電子的に保存し、学術的に比較調査可能な体制を構築するための基盤整備を戦略的に進めるための方法論と枠組みの調査が目的である。 平成21年度は海外調査とその評価を中心に行った。海外調査は、米国とオーストラリアに赴き、体外循環領域における学術的比較研究調査を実施している団体と調査協力医療施設を訪問見聞し、学術集会に参加し、参考となる資料を収集した。 調査から、体外循環に関して、すでに複数の標準や訓練システムを各学術団体が所持しており、それぞれの所属会員が体外循環を安全に行うための努力を継続的に実施している。一定の技術水準を標準化することで、安全を担保する仕組みが出来上がっていることが伺えた。これらの標準化の上に、手術記録、体外循環記録および診療記録から特定の項目の内容を数値化あるいは記号化したものを体外循環が実施される全国あるいは世界中の施設からIT技術を利用して電子的にかつ継続的に収集し、疫学的に評価することにより、すでに標準化された内容の根拠が、あるいは、新たな根拠が得られ、技術の向上と安定に大きく寄与すると考えられる。この実証のために症例登録の試験が開始されており、この評価は1年後となる。 根拠に基づく体外循環の教育に関しては、両国ともに毎年、数日間の教育の機会を提供していた。また、インターネットを利用した動画による配信も後日実施され、独習の機会も与えられていた。 両国の取り組みを調査し、本邦において同様な体制を構築するためのハード環境は資金面の援助が得られれば整えられると考えられる。その環境を利用し、症例登録を行い、根拠を得るためには、体外循環を行う臨床工学技士への教育機会の提供、医師との連携、意識調査等の実施が必要と考えられる。
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Research Products
(9 results)