2011 Fiscal Year Annual Research Report
科学的根拠に基づく体外循環技術の確立と国際協働に向けた基盤整備のための調査研究
Project/Area Number |
21659137
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
日比谷 信 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 准教授 (70259323)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
見目 恭一 埼玉医科大学, 保健医療学部, 教授 (70438860)
亀井 哲也 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 講師 (40369583)
|
Keywords | 体外循環 / データベース / エビデンス / 臨床疫学研究 / ガイドライン / 医療安全 / 臨床工学技士 / 診療情報管理士 |
Research Abstract |
この研究は、患者benefit向上のために、体外循環の安全と技術水準の向上を目標に、全国的に体外循環の記録を長期間、電子的に保存し、学術的に比較調査可能な体制を構築するための基盤整備を戦略的に進めるための方法論と枠組みの調査が目的である。 平成23年度は平成21・22年度の成果を基に、体外循環実施施設への調査を集計し結果を評価・公表し、国内における体外循環症例登録の基盤整備のための試験実施に向け、3年間の研究を総括した。 平成22年度末に実施した調査内容は、ICEBPが実施している成人体外循環症例登録の入力項目を日本の実情に合致させた体外循環症例データベースを構築することを目的に各施設における体外循環の実施に関する基本情報であった。調査対象施設は、一般社団法人日本体外循環技術医学会(以下 JaSECT)の正会員が所属する557施設であった。基本調査および体外循環の実施に関する事の108問を調査した。この調査は、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会の支持を受けて実施した。また、藤田保健衛生大学 疫学・臨床研究倫理審査委員会の倫理審査承認(通知番号10-173)を得て実施した。 回収率は48%であった。インターネット接続可能な施設は87%。データを取り扱うアプリケーションの所持率は、MS-Excel(マイクロソフト社、WA、USA)が81%(n=249)、次いでFileMaker(ファイルメーカー社、CA、USA)が51%であった。回路調査において、体外循環記録方法は手書きが最多で53%(n=650)であった。分離体外循環使用回路は35%であった。無輸血組成の回路充填液は87%(n=667)であった。 2010年の年間体外循環症例数は日本成人心臓血管外科手術データベース(JACVSD)の同年の年間登録数の74%に達し、JaSECT会員の施設がすべて体外循環症例登録事業に参加し、順調に登録数が増加すれば、統計解析機能を早期に提供できると結論づけられた。さらに、ICEBP等のデータベース項目が日本で共通して使用できると判断できた。なお、調査した2010年の年間体外循環症例数から本邦の開心術症例を分類した結果、冠動脈疾患、弁疾患、大動脈疾患に対する体外循環症例がほぼ均等に登録可能であり、世界的に見ても特徴ある疫学的評価が行える環境にある。
|
Research Products
(4 results)