2009 Fiscal Year Annual Research Report
心筋分化誘導後ヒトiPS細胞による薬剤評価システムの開発
Project/Area Number |
21659139
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 裕之 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (70378751)
|
Keywords | シミュレーション工学 / 薬剤反応性 / 生体生命情報学 / 生理学 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は、1)薬剤負荷に伴う、心筋分化誘導後ヒトiPS細胞の膜電位変化を計測、2)コンピュータシミュレーションでこの計測結果を再現し、3)負荷された薬剤のターゲット(膜上どのイオンチャネルに作用しているか)を推定できるシステムを構築し、病態解明に繋げることにある。具体的には、薬剤負荷に伴う細胞膜電位変化を再現可能な"心筋分化誘導後ヒト幹細胞数理モデル"を開発し、薬剤負荷の影響を推定できるシステムを構築、さらにこのシステムを用いて細胞レベルでの薬剤誘発性不整脈のメカニズムや誘発条件について評価することである。平成21年度は主に心筋分化誘導後ヒトiPS細胞からの膜電位データの採取法の検討を試みた。予備実験段階(Biochem Biophys Res Commun. 2009 30; 379(1):115-20.)で心筋分化誘導後マウスiPS細胞からの膜電位データ採取はおおよそ確立されたと考えられ、これをヒトiPS細胞からの膜電位データ採取はおおよそ確立されたと考えられ、これをヒトiPS細胞に適用することを試みたが、細胞の単離および分化段階の調整が困難で、活動電位記録は自動能を有する細胞群から得られるものが多かった。このため、当初予定していた薬剤を各種イオンチャネル阻害薬から交感神経作動薬に変更し、モデル細胞構築も先ずは洞房結節細胞typeの心筋細胞とすることにした。交感神経作動薬の負荷法および膜電位への影響を動物実験で確認(J Physiol Sci. 2009 59 supplement 1:254)、また、モデル細胞を用いた薬剤誘発性不整脈のメカニズムおよび誘発条件について検討(Journal of Arrhythmia. 2009 25:261.)した。
|
Research Products
(1 results)