2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代細胞治療に向けた細胞製剤のステルス化・標的指向化
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21659140
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西川 元也 Kyoto University, 薬学研究科, 准教授 (40273437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 喜信 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30171432)
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Keywords | 細胞治療 / ステルス化 / 体内動態 / 酸化ストレス / ターゲティング |
Research Abstract |
細胞を利用した治療法の効果増強を目的に、体外から投与した細胞の体内動態を精密に制御することのできる新規方法を開発する。まず、細胞の体内動態を定量的に解析するために、ルシフェラーゼを安定発現させた細胞を用い、マウスに投与後の体内動態評価システムの開発を行った。既に樹立した各種ルシフェラーゼ発現癌細胞と同様、マウス線維芽細胞株NIH3T3をモデル細胞として選択し、ルシフェラーゼ発現プラスミドを用いて標識細胞を調製した。ルシフェラーゼ発現が安定でかっ高レベルの株を選択し、種々の経路からマウスに投与後の体内動態を評価した。静脈内投与した場合には、投与後初期に肺中に多数のNIH3T3/Luc細胞が検出されたが、その値は時間経過とともに速やかに減少した。この動態・分布特性は、これまでに検討した癌細胞と類似しており、細胞間に大きな違いは認められなかった。一方、マウスの全層皮膚欠損に対する細胞治療を目的とした検討において、損傷皮膚表面に滴下、あるいは近傍に皮内注射した場合にも投与した細胞は非常に速やかに消失した。細胞を投与した局所は血流が乏しく、他の部位と比較して酸素供給が不十分である可能性がある。低酸素条件下においては、低酸素誘導性因子HIF-1の安定化が生じたり、活性酸素生成が亢進するとされる。そこで、この速やかな細胞消失における酸化ストレスの関与について検討することを目的に、過酸化水素を消去するカタラーゼを含む溶液でNIH3T3/Luc細胞を投与した。その結果、移植1日後の残存細胞数はカタラーゼ添加により有意に増加したことから、移植細胞の急激な消失には酸化ストレスが少なくとも一部関与することが示唆された。今後、カタラーゼ遺伝子導入、または他の方法を利用することで、移植細胞の延命化を実現し、ステルス型・標的指向化型細胞治療剤の開発を目指す。
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Research Products
(4 results)