2009 Fiscal Year Annual Research Report
循環腫瘍細胞の統合型オミックス解析による生物学的性状、病態診断に関する研究
Project/Area Number |
21659147
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
前川 真人 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 教授 (20190291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椙村 春彦 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00196742)
瀬藤 光利 浜松医科大学, 分子イメージング先端研究センター, 教授 (20302664)
渡邊 良久 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00362187)
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Keywords | 循環腫瘍細胞 / 癌転移 / 大腸癌 / オミックス解析 / フローサイトメーター / プロテオミクス |
Research Abstract |
癌の転移に関する生物学的性状をとらえ、癌診療に役立つマーカーを探索するために、循環腫瘍細胞(circulating tumor cell ; CTC)を末梢血から収集し、形態学的に腫瘍細胞と同定された細胞を質量分析によってプロテオーム、メタボロームの解析を行い、さらに質量顕微鏡でイメージング解析を行う。対照として、原発巣、転移巣の腫瘍細胞を比較検討する。末梢血中のCTCを対象として、今まで知り得なかった意義を模索し、診断・治療のマーカーを探索することを目的として本研究を企画した。 本研究では、循環腫瘍細胞(circulating tumor cell ; CTC)を高純度で末梢血から分離する技術の確立、オミックス解析によるCTCの機能・性状の解析の2つのステップを遂行する必要がある。そこで、溶血による赤血球の除去、磁気抗体カラムによる白血球の分離除去、最後に残存白血球をフローサイトメーターによって除去することを試みた。癌細胞株を健常人の末梢血に混合してから分離する模擬実験からCTC分離技術を確立した。ただ現在は、血液中に混入させた細胞の半分くらいを分離できるにすぎず、まだ改良の余地はあると考える。 本法を用いて大腸癌の臨床材料からCTCを集めているが、実際に循環している腫瘍細胞が少ないためもあるが、集められる数が少なく直接オミックス解析するのには量的・数的に不足することが予測されるため、培養後にオミックス解析を行うことを企画し現在その培養条件の設定を行っている。また、既に集めているCTCと大腸の正常粘膜、原発巣、転移巣の癌組織におけるプロテオミクス解析をiTRAQ法により進めている。
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