2009 Fiscal Year Annual Research Report
医療の需要とサービス供給の国際的流動化に伴う医療の質の向上
Project/Area Number |
21659164
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高野 健人 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 教授 (80126234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木津喜 雅 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 助教 (80431964)
渡辺 雅史 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 助教 (90280974)
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Keywords | 社会医学 / 人材育成 / 国際競争力 / サービス貿易 / 医療観光 |
Research Abstract |
医療従事者と患者が国境を越えて移動し、医療サービスの国境を越えた取引の機会が拡大している。国境を越えた医療サービスは種々の利点と可能性を備えている一方、医療人材の流出や医療の質の格差の拡大の危険性が指摘されている。医療サービスの貿易の拡大における各国および国際的な政策が、医療の質の向上と産業育成および医療の公平な供給の均衡にもたらす影響を検討した。 1. 医療専門職人材の国際的な流動傾向を分析し、専門職人材の流出と流入の促進・抑制に関わる要因を検討した。OECD加盟国において、国外で教育を受けた医療専門職人材の流入傾向が認められた。医療人材送出国では、海外就労の斡旋および適正化、育成する医療人材数の増加をはかっていた。医療人材受入国では、自国内での医療人材養成数、自国外の医療人材受け入れに関わる施策、労働環境条件の整備への取り組みが、人材受入数増加と抑制に影響をもたらした。2. 国を越えたメディカルツーリズムについて、中国のメディカルツーリズムに関する関心事について分析した。海外医療ツアーの広告や記事はまだ少ないが、海外の医療事情への関心の高まりが、高度医療の需要をほりおこしている可能性が示唆された。3. わが国の医療、介護人材の充足状況について、都道府県別の医療・介護人材数を検証した結果、人口10万対あたりの医師、看護師、訪問介護員数とも2~3.4倍の格差があった。この格差は、人口高齢化により一部が説明できた。4. 国際的な医療サービスの評価方法、国際機関による国際的人材雇用に関する取り組みを検証した。Joint Commission Internationalによる医療機関の認証基準、WHOとILOによる医療専門職人材の国際的な雇用の実施における倫理行動規範を検討し、評価方法が有効なものであると結論した。
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Research Products
(5 results)