2009 Fiscal Year Annual Research Report
多重がんの発生と家族性因子およびライフスタイルに関する後ろ向きコホート研究
Project/Area Number |
21659167
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
岡本 幹三 Tottori University, 医学部, 講師 (40032205)
|
Keywords | 重がん / 家族性因子 / ライフスタイル / 地域がん登録 / 日南町コホート |
Research Abstract |
多重がんの発生要因や生命予後に関する研究は、まだ始まったばかりで解明すべき点は多い。平成19-20年度の科学研究費補助金(萌芽研究)による生存分析の結果、多重がん患者は単一がん患者より生命予後が良く、長生きすることを示唆した。そこで、今回はその関連要因について家族性因子とライフスタイル要因が予測因子となりうるかどうかを検証することを目的にして、大規模コホートJ-MICCにおける日南町コホートデータと地域がん登録資料の記録照合を行った。40-79歳の対象者のがん罹患と死亡の同定を行い、地域がん登録から得られる多重がん患者の登録情報を日南コホートデータに追加・統合した。これを多重がん結合データベースとして、既存資料の日南コホート調査項目171項目について、対象属性をはじめとして観察期間、家族性要因およびライフスタイル要因に関する再定義を行い、ロジスティック回帰分析や生存分析適用への妥当性について検討した。また、第2がん発生に対する家族性因子とライフスタイルおよび治療方法(手術、放射線療法、化学療法、ホルモン療法)などの影響に関する比較方法を検討した。日南町コホートは、4,000件若と少なく、その中でがんの発生はもとより、多重がんの発生は非常に少ない。こうした中で、家族性因子では家族のがん既往歴、ライフスタイルでは生き甲斐、ストレス、緑黄色野菜、歩行との関連性についてロジスティック回帰分析やCox比例ハザードモデルによる生存分析ができるかどうか大きな課題として提起された。 なお、多重がんを考慮しない場合の日南町における生存分析からみた健康特性は、40歳男性の累積生存率の低下、とくに観察開始から10年~20年にかけての累積生存率曲線の低下が顕著で、散歩・歩行時間、喫煙習慣などのライフスタイルやストレス、仕事性急、腹立ち、生活満足度などの生活態度に問題があることがわかった。
|
Research Products
(6 results)