2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659170
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
新開 省二 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都, 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (60171063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 年総 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (80133635)
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Keywords | 高齢者 / 健康アウトカム / β_2ミクログロブリン / 分子修飾 / プロテオーム |
Research Abstract |
血清β_2-microglobulin(β_2-M)は、高齢者のadverse health outcomeの独立した危険因子である。特に循環器疾患との関連が強いという特徴がある。本研究事業(2年間)では、その機序を明らかにすべく、「β_2-Mが何らかの変性を起こし、これがアミロイド形成に関与し、高齢者のadverse health outcomesのリスクを増大する」との仮説を検証する。平成21年度(初年度)は、まずプロテオーム解析の手法を用いて変性β_2-Mの検出法を確立した。その手順は、抗ヒトβ_2-M抗体固定化ビーズの作成→抗体アフィニティーによる血清中のβ_2-Mの吸着濃縮→二次元電気泳動法による変性β_2-Mの分離、質量分析による変性β_2-Mの構造解析、というものである。これを応用して、若年者サンプル6例、高齢者サンプル6例を対象にβ_2-Mの分子修飾の有無を調べた。二次元電気泳動法によるβ_2-Mのスポットは、若年者、高齢者サンプルとも、いずれも単一でクリアなものであった。しかし、質量分析による結果では、若年者と高齢者サンプル間に大きな違いを認めた。高齢者サンプルでは、理論的Mwから16Da離れた箇所(Lower mass)あるいはさらに16Da離れた箇所(Higher mass)の二カ所にピークが見られたが、若年者サンプルでは、Lower mass分子のみ検出されHigher mass分子は検出されなかった。ただ、高齢者サンプルにおけるLower mass分子とHigher mass分子のピーク面積の比率は、濃度非依存的であった。高齢者の血清中β_2-Mは分子修飾を受けていることがわかったが、これと高齢期のadverse health outcomesとの因果関係、すなわち「変性β_2-M仮説」の検証は、次年度の課題として残された。
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Research Products
(1 results)