2010 Fiscal Year Annual Research Report
循環器危険因子としての心臓周囲脂肪の測定意義についての疫学研究
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21659172
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Research Institution | Osaka Medical Center for Health Science and Promotion |
Principal Investigator |
岡田 武夫 (財)大阪府保健医療財団大阪府立健康科学センター, 健康開発部, 参事兼医長 (70450921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 哲也 大阪大学, 大学院・医科系研究科, 准教授 (50448031)
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Keywords | 心臓周囲脂肪 / 冠動脈石灰化 / 危険因子 |
Research Abstract |
まず、フラミンガム研究でも用いられている方法に基づく心臓周囲脂肪計測法の妥当性を検討した。2001年から2008年までに大阪府立健康科学センターで心臓CT検査を複数回実施したもののうち、実施の間隔が2年以内で、体重の増減が5%以内であった33名を対象者とした。心臓周囲脂肪の測定は心尖部レベルから肺動脈幹レベルまでの断面を解析して行った。 心臓周囲脂肪体積は1回目の測定の平均値は77±29cm^3、2回目の測定の平均値は79±30cm^3であり、相関係数は0.959(p<0.01)であった。また、体重と心臓周囲脂肪量の関係をみたところ、ほとんど相関がなかった(R=0.33)。これらの結果から、この方法は心臓周囲脂肪量の評価に適したものであると考えられた。また、心臓周囲脂肪体積は体重とは独立した循環器疾患危険因子である可能性が高かった。 循環器ドック受診者250名(男性112名、女性138名)を対象とし、冠動脈石灰化スコア100以上を冠動脈石灰化ありとして、心臓周囲脂肪の測定値を中央値で2群に分けて冠動脈石灰化の有無について性、年齢、喫煙、飲酒、高血圧の有無で調整したロジスティック回帰分析でオッズ比を求めた。 心臓周囲脂肪の少ない群に対する多い群の石灰化のオッズ比(95%CI)は2.26(1.08-4.71, p=0.03)で男女別では女性で有意な関連が見られた。腹部内臓脂肪の少ない群に対して多い群で同様の比較をするとオッズ比は0.88(0.44-1.78, p=0.73)と有意な関連は見られなかった。 心臓周囲脂肪は腹部内臓脂肪よりも冠動脈石灰化により強く関連すると考えられる。測定手法、解析手法を確立できたと考え、現在は例数をさらに増やすとともに生活習慣との関連の解析を進めているところである。
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Research Products
(2 results)