2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659180
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
乾 明夫 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80168418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅川 明弘 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (10452947)
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Keywords | 霊長類 / 情動 / 認知機能 / 行動異常 / マーモセット / 肥満 / 機能性消化管障害 / ペプチド |
Research Abstract |
霊長類の研究は、高度に進化したヒト情動・認知機能や行動異常の成因を解明し、新たな治療法を生み出してゆくために、極めて重要な方法論であると考えられる。げっ歯類で行われてきた行動薬理学や遺伝子組み換えマウスから得られた知見を、ヒトの高次脳機能やその病態に外挿する場合の問題点が、度々指摘されてきた。霊長類モデルを用いた研究が、高度に進化したヒトの情動・認知機能や行動異常の成因を解明し、新たな治療法を生み出してゆくために、重要な方法論となるものと考えられる。 そこで本研究は、霊長類マーモセットを用いて、ヒトに近いより高次の食・情動行動の分子機構を検討し、ヒト病態に近似した病態モデルを作成する。具体的には、食に関わる肥満・メタボリックシンドロームモデル、FDやIBSといった機能性消化管障害モデル、また摂食障害や悪液質を念頭に、情動性・認知性食行動異常モデルを作製する。本年度はマーモセットの食行動パラダイムの確立を行い、ペプチドホルモンによる食行動への影響を検討中である。食欲抑制系ペプチドであるペプチドYY(PYY)、膵ポリペプチド(PP)食欲促進系ペプチドグレリンの作用をげっ歯類での作用と比較検討中であり、PYYの作用の相違など、よりヒトに類似した食行動調節機構を明らかにしつつある。 PYYは食欲調節に重要な作用を有すると考えられているが、げっ歯類の成績では相反するデータが報告され、PYYは、食欲抑制作用を有するのかなお明らかではない。一方、ヒトにおいてPYYは食欲を抑制するというデータが得られつつある。マーモセットにおいては、ストレスが食行動に大きな影響を及ぼし、これはヒトにおいても同様と考えられ、ストレスを可級的に減少させた食行動パラダイムを確立している。
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Research Products
(4 results)